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高原のサナトリウムで静養する人、働く人、面会に訪れる人・・・。
静かな日常のさりげない会話の中にも、死は確実に存在する。
新演出、新キャストで、今、平田オリザが新たに見つめ直す「生と死」。
眩いばかりの<S>
トーマス・マンの『魔の山』に着想をえたというS高原のサナトリウム。
患者と医師・看護師と訪問者という、死者と生者の行き交うかりそめの場だ。
そこではほとんど、何も起こらない。
止まったような時間、けれど砂時計を見るようにすれば、時間はむしろ容赦なく過ぎているのがわかる。
平田オリザによるストップウォッチのようなト書きが、時間の重みをましていく。
そしてその間にも、舞台の外では着実に誰かが死んでいるのだ。
仏「リベラシオン」2003.3.13/『S高原から フランス語版』(演出:ロラン・グットマン)劇評より抜粋
平田オリザのサナトリウム
純潔な内世界、時間の外側
『S高原から』の人物はあてどなく、おろかしくも滑稽なライトモチーフを投げかけ続ける。
深刻な事象とかろやかな語り口、茶目っけのある繊細さ、言葉をまとわぬユーモア、ロラン・グットマンの演奏はレガートによる。
リズムどりに苦心した16人の俳優は冒頭やや単音にすぎるが、流れるような優雅さと巧妙なずれを持って、平田オリザのサナトリウムに身をおく。
ゆらめく時間。過去のない世界に未来はないのだから。
仏「ル・モンド」2004.5.12/『S高原から フランス語版』(演出:ロラン・グッドマン)劇評より抜粋
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