三内霊園というところに実家のお墓がある。
三内丸山遺跡の、あの三内である。と聞くと、なんだかものすごく古いお骨がホタテの貝殻と一緒にごろごろ埋まっていそうだが、そんなことはない。ごく普通の墓地である
。
雪に閉ざされる冬場は立ち入れない。たまーに行くと、私もここに眠るんだろうかと他人事のように考える。
お墓の下より、墓ごとに地面を抱きしめるように枝を広げる、この桜の木の下がいいなぁと思ったりもする。
あの人は、桜の木の下で、私の何を思い出すんだろうかと想像をめぐらす。でも、やっぱりお墓参りなんかいいから、その分一回でも多く、生きているうちにぎゅっとしてもらいたいなぁと思い直す。
そんなお芝居です、今回は。
うさぎ庵 庵主 工藤千夏
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