2006年12月6日(水)〜12月17日(日)

青年団第52回公演 ソウル市民三部作連続上演
『ソウル市民』『ソウル市民1919』『ソウル市民 昭和望郷編』

 平田オリザ最新作『ソウル市民 昭和望郷編』を含む、ソウル市民三部作連続上演。
 日本の植民地支配下に生きるソウル(京城)の日本人一家篠崎家の三代に渡る物語を、淡々と、しかし明晰確固と描く、超大スケールの三部作、ついに完結—。


『ソウル市民』(2000年6月 シアタートラム)撮影:青木 司

『ソウル市民』

 日本による韓国の完全植民地化、いわゆる「日韓併合」を翌年に控えたソウル(当時の現地名では漢城)で生活する日本人一家の一日が淡々と描かれる。

 1909年、夏、文房具店を経営する篠崎家。日本から後妻に入り、いつまでも朝鮮の生活になじめない母。自分が何をやりたいのか判らない長男。文学に青春の情熱を燃やす長女。日がな一日、何をやっているのか判らない書生。とりとめのない話を延々と続ける女中たち。
 そんな篠崎家に様々な客人たちが現れる。

 激動する時代のなかで、一見時代とは無縁な時間が流れていくなか、それでも確実に、植民地支配の波は押し寄せてくる。
 その時代の緊張の中で繰り広げられる淡々とした会話を通して、運命を甘受する「悪意なき市民たちの罪」を描き出す。

 出演

  篠塚祥司(客演)  山村崇子  山内健司  松井 周  辻 美奈子  小林亮子  古屋隆太
 兵藤公美  石橋亜希子  角舘玲奈  村井まどか  大塚 洋  松田弘子  足立 誠  立蔵葉子
 熊谷祐子  安倍健太郎  川隅奈保子

『ソウル市民1919』

 1919年3月1日ソウル(当時の呼び名は京城)。この街に住む日本人の一家、篠崎家の人々は、今日も平凡な日々を過ごしている。ただ、今日は少しだけ外が騒々しい。噂では、朝鮮人たちが、通りにあふれているという。
 おりしも、相撲興行の一行が到着し、応接間は賑わいを見せる。
 オルガンの練習に興じる娘たち。米増産の標語に頭をひねる書生たち。しかし、その間にも、少しずつ、朝鮮人雇用者が、この家から姿を消していく。

 出演

 山内健司  天明留理子  大塚 洋  根本江理子  辻美奈子  小河原康二  永井秀樹  太田 宏
 田原礼子  高橋 縁  申 瑞季  ひらたよーこ  篠塚祥司(客演)  根上 彩  たむらみずほ
 島田曜蔵  秋山建一  佐藤 誠  月村丹生  木崎友紀子  

『ソウル市民 昭和望郷編』

 1929年、日本の植民地支配下のソウル(当時の呼び名は京城)に暮らす、文房具商の篠崎一家。この街で、最も古くから商売を続けるこの店にも、大衆消費社会の波が押し寄せ、新しい経営感覚が求められていた。
 この家の長女寿美子には、アメリカ帰りの新進企業家との縁談が持ち上がっているが、寿美子はどうも、この新しいタイプの経済人を好きになれない。
 長男の真一は、精神を病んで、入退院を繰り返しているのだが、本当は家督を継ぎたくないための仮病ではないかと疑われている。
 この家の書生で、京城帝国大学の第一期卒業生として、朝鮮総督府にこの4月から勤めるようになった李齊源は、朝鮮人のエリートとして植民地支配に協力することに悩む。
 おりしも、満蒙地域との文化交流を目指す「満蒙文化交流青年会」の一団が、篠崎家を訪れる。
 それぞれの思いを胸に秘めながら、京城の秋の一日は、ゆっくりと過ぎていく。

 出演

 井上三奈子  福士史麻  松井 周  荻野友里  山本雅幸  高橋智子  小林 智  永井秀樹  
 森内美由紀  古舘寛治  河村竜也  古屋隆太  キム・ミンソ  工藤倫子  鈴木智香子
 長野 海  渡辺香奈  山口ゆかり  大竹 直  山本裕子  村田牧子  二反田幸平  端田新菜
 後藤麻美  堀 夏子

青年団プロフィール

 青年団は平田オリザを中心に1983年に結成された劇団です。平田オリザが提唱した「現代口語演劇理論」を通じて、新しい演劇様式を追求してきました。このまったく新しい演劇様式は、90年代以降のわが国の演劇シーンに少なからぬ影響をあたえ、演劇界以外からも強い関心を集めてきました。

 「ときには聞き取れないような小さい声でしゃべる」「複数の会話が同時に進行する」「役者が観客に背を向けてしゃべる」などが青年団の演劇様式の外見的な特徴が有名ですが、これらの特徴はすべて、これまでの演劇理論を批判的に見直し、日本人の生活を起点に、いま一度、新たな言文一致の新鮮な劇言語を創造し、緻密で劇的な空間を再構成していこうという戦略にもとづくものです。
 青年団は、確固とした演劇理論にもとづいた舞台づくりのなかから、常に演劇の枠組みそのものを変えるような、新しい表現をつくりあげていこうとしています。

作・演出

平田オリザ

スタッフ 舞台美術:杉山 至
照明:岩城 保
音響:薮公美子
衣装:有賀千鶴
演出助手:井上こころ  深田晃司
舞台監督:櫛田麻友美
宣伝美術:工藤規雄+村上和子  京  太田裕子
宣伝写真:佐藤孝仁
宣伝美術スタイリスト:山口友里
制作:西山葉子  林有布子  松尾洋一郎
Web制作:佐藤 誠
会場

吉祥寺シアター
(JR中央線・京王井の頭線 吉祥寺駅北口より徒歩5分)
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-33-22
TEL.0422-22-0911
FAX.0422-22-0977 

公演日時
12月6日(水) 19:30
12月7日(木) 19:30
12月8日(金) 19:30
12月9日(土) 13:00 16:00 19:30
12月10日(日) 13:00 16:00 19:30
12月11日(月) 16:00 19:30
12月12日(火) 休演日
12月13日(水) 19:30
12月14日(木) 15:00 19:30
12月15日(金) 13:00 16:00 19:30
12月16日(土) 13:00 16:00 19:30
12月17日(日) 13:00 16:00 19:30
※ ■=『ソウル市民』(上演時間:90分)
   ■=『ソウル市民1919』(上演時間:110分)
   ■=『ソウル市民 昭和望郷編』(上演時間:110分を予定)

【追加公演決定!】
   ■=『ソウル市民』(上演時間:90分)
   ■=『ソウル市民1919』(上演時間:110分)

【さらに追加公演決定!】
   ■=『ソウル市民』(上演時間:90分) ※11月28日(火)10:00より予約受付開始

※受付開始は開演の60分前、開場は開演の20分前
※全20ステージ
※ソウル市民三部作は一作品ごとに独立した物語となっております。どの順番でご覧になってもお楽しみいただけます。
※★の回終演後、平田オリザとゲストによるポストパフォーマンストークを行います。
ポストパフォーマンストークのお知らせ 12月6日(水)=イ・ヨンスク
社会言語学者。一橋大学教授。韓国全羅南道出身。

12月7日(木)=角田光代
作家・翻訳家。神奈川県出身。早稲田大学第一文学部文芸学科卒業。

12月8日(金)=宮沢章夫
劇作家・演出家・作家。遊園地再生事業団主宰。京都造形芸術大学助教授。静岡県出身。多摩美術大学美術学部建築科中退。
チケット料金 前売・予約 一般3,500円/学生・シニア2,500円/高校生以下1,500円
当日 一般4,000円/学生・シニア3,000円/高校生以下2,000円
一日通し券(前売・予約のみ) 一般9,000円/学生・シニア6,000円/高校生以下4,000円


※全席指定
※学生・シニア(65歳以上)・高校生以下は劇団のみ取り扱いとなります。当日受付にて身分証明書をご提示下さい。
※一日通し券は、一般は劇団・文化事業団で取り扱い、学生・シニア・高校生以下は劇団のみ取り扱いとなります。(プレイガイドでの取り扱いはございません。)※一日通し券は完売いたしました。
※芸術地域通貨ARTS(アーツ/1ARTS=1円)をご利用の方は、劇団のみ取り扱いとなります。(ARTSとは、桜美林大学内の演劇施設で施行されている地域通貨です。)
チケット予約
お問い合せ
■青年団
TEL.03-3469-9107
オンライン販売

■(財)武蔵野文化事業団
TEL.0422-54-2011

■チケットぴあ
TEL.0570-02-9988(オペレーター対応)  0570-02-9999(Pコード:372-027)
チケットぴあオンライン販売

■e+(イープラス) e+オンライン販売       ※チケットぴあ・e+は一般のみ取り扱いとなります。
ウェブサイト

青年団WEBサイト
※青年団WEBサイトホームページより「ソウル市民三部作連続上演」特設ページにお入りいただけます。ソウル市民上演の歴史や稽古場日記などもご覧いただけます。どうぞあわせてご覧ください。

関連イベント情報 <吉祥寺シアターで平田オリザによるセミナー、ワークショップを開催>
11月10日(金)19:30〜 舞台芸術セミナー(対象:高校生以上)
11月23日(木・祝)13:30〜 高校生のための演劇ワークショップ
会場:吉祥寺シアター稽古場
料金:1,000円
主催:(財)武蔵野文化事業団
※要事前申込み。詳細については吉祥寺シアターWebサイトをご参照下さい。またはお電話でお問い合わせください。

<京・ちらしアートワーク『100: 』>
本公演期間中、吉祥寺シアター内にて、グラフィックデザイナー、京の舞台公演ちらしを展示いたします。
※展示の詳細に関しては、京のWEBサイトもあわせてご覧ください。
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■協力:(有)あるく (株)文祥堂印刷 (有)レトル
■企画制作:青年団/(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
■主催:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場/(財)武蔵野文化事業団



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