真の癒しとは…。
死を美化しない、
新しい心中劇がここに誕生。


「心中劇」へのリスペクトとアンチテーゼ
　『背中から四十分』は、平成の時代に生まれた新しい「心中劇」です。劇中のオイルマッサージは、道行であり、心中の前段階のある種の情交といえるでしょう。しかし、歌舞伎で描かれる道行や心中ものと大きく違うのは、決して死という帰着を美化するのではなく、最悪の状況にある二人の人間が互いを癒すことで、ほんの少しだけ救われる「癒しの円環」に主眼が置かれていることです。
　限りなく死に近づきながら踏み止まる二人の姿、同時に、二人を待つ決して明るくはないであろう未来に、私たちは同時代の心中のリアリティを見るでしょう。

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渡辺源四郎商店 プロフィール

自らが率いる青森県立中央高校演劇部での全国大会制覇、放送作家として主要コンクール三冠など、広い分野で才能が注目される劇作家・畑澤聖悟が、自分の芝居を思う存分創るため、2005年7月に結成。公演は企画毎にキャスト・スタッフを募るプロデュース制を取っている。青森市民と共同で、空き店舗を改装した稽古場兼劇場「アトリエ1007」を拠点に、全国規模での公演を視野に入れながら活動を続けている。