2007年7月20日(金)〜29日(日)

黒沢美香&ダンサーズ 『なんという寛容な肉』


撮影:大久保由利子


 20年以上前から独りでも大勢でも<ダンサーズ>という名前でやってきた。ダンサーズは誰、 と「人」を指すだけでなく「ダンスする身体」を指した。この数年間は「ダンス☆ショー」 中心に団体踊りをしている。ずっしりした肉が大勢でどすどす踊るので稽古場の床が抜ける寸前で修繕した。 踊りは揃わずバラバラだ。不揃いのまま和音になる術は作ったものではなく何度も稽古を重ねるうちに毛穴から相手が染み込んで各自の身体が見つけ出した喜々の不協和音だ。いつもの団体踊りをラストプラグラムに置いてこのアゴラの10日間ではどぎまぎしながら 個の背景を差し出す。私たちは失態しては人らしく心細くなるのだが踊れば肥えて四肢があかるい牛のよう。

黒沢美香

 1985年立ち上げ。主にstudio200で<四人娘>が活躍したことがグループ活動のきっかけとなる。以後90年〜02年は即興を軸としたシリーズ公演『偶然の果実』を44回継続。ここに於いては誰それをダンサーズと指すのではなく踊る身体を<ダンサーズ>と呼ぶ。従って一人でも大勢でもダンサーズであった。現在ちまたでダンサーズと呼ばれている野獣牧歌集団彼らは、その年齢差が40才も離れているだけに判断も速度もバラバラの不協和音群舞が魅力。商店街から大劇場まで躍りでる。主な作品は『ダンス☆ショー』『jazz-dance』『接吻』。

7月20日(金)
黒沢美香ソロ・ダンス 『清潔で単純になる日』

わたくしが最近踊る時は白塗り白粉こてこてですがもともとはその反対の極にありました。人前の舞台だからといってご挨拶のような手をなぜ加えるのか。舞台らしい化粧、ダンスらしい衣装、照明も音響も然り。ダンスだ身体だ意志だ。効果はいらない。そこに身体が転がっている、というダンスを目指した。気高く絞った芸術が起こると期待して芸術に誇りを抱いた。しかしダンスもゲイジュツももういい。私のやることをダンスと言わなくていい。真面目に硬直する。このソロはオープニングに相応しくない。まさに必要だ。

黒沢美香

ダンス 黒沢美香
公演日時
7月20日(金) 19:30
*開場は開演の30分前。



7月21日(土)
りな・りっち作品『CELL/QUADRON』

今回の二つの作品を『寛容肉』であえて問いかけてみる:
CELL/QUADRON
その場所は、安定の裏側で我々を束縛し息苦しくさせる…果たしてそこにダンスは訪れるのか?
“四角いテーブルに向かい椅子に座る。”—『CELL』
“四辺と対角線からなる見えないレールの上を歩きまわる。”—『QUADRON』
秩序と個とが向かい合う。規則の中でもがきながら、動き、熱し、呼吸し、空間を歪ませていく。秩序が崩れ出す瞬間、そこに何が生まれるのか?…答えは六つの身体が導き出す。

出演者一同

出演 池田孝良 永登春香 大迫英明 木檜朱実 下田明正 りな・りっち
公演日時
7月21日(土) 19:00
*開場は開演の30分前。



7月22日(日)
堀江進司+KIRA’S CABARET
『清美(きれい)は醜穢(きたない)、醜穢(きたない)は清美(きれい)』

これまでの俳優活動に甘んじる事なく、ゲイとしての立脚を自らの表現へと昇華し続ける青山吉良が、ダンサーズで異彩を放つ堀江進司の童貞臭漂う妄想的身体に欲情し、愛憎目見えた逢瀬を重ね、今回の舞台に挑む。構成・演出も兼ねる青山は、見えるものと見えないものの交歓の醍醐味、多様性ある社会に向かう想像力の構築を願う、美の熱血漢。その趣旨に賛同した堀江も、言語に海原に我が身を投じ、声も身体であるという仮説に、真摯に立ち向かう所存。

堀江進司

構成・演出 青山吉良
振付 江原朋子
出演 堀江進司 青山吉良
公演日時
7月22日(日) 15:30★ 19:30
*開場は開演の30分前
★=託児サービスあり、要予約
予約受付:イベント託児・マザーズ
TEL.0120-788-222(土・日・祝日を除く10時〜12時・13時〜17時)


7月23日(月)〜24日(火)
万博 2007.07.23/2007.07.24
 黒沢美香&ダンサーズとして舞台に立っている人達が一人一人になったとき実はどんな人でどんな企みを持ってどんな腹の括り方をして何をしでかすのかその正体をチラっとだったりガバっとだったり見せてやる、輝かしい誇示の会。

文責=須加めぐみ

公演日時
7月23日(月) 19:30

磯島未来『夜のすすめ』
江積志織『緑のすじのある肖像』
斎藤麻里子『恋金魚』
須加めぐみ『ソロ』
南呼子『私をきる私』


7月24日(火) 19:30

恩田香『ないしょの話』
岸本あずさ『輪舞』
公門美佳『微熱』
滝口美也子『待望の列車』
松之木天辺『Overture』


*開場は開演の30分前


7月25日(水)
『一人に一曲』番外編(「偶然の果実」より)

 90年—02年までの12年間、ダンスへの問いを無骨にぶつけたことで今や伝説となってしまった「偶然の果実」(通称:グーカジ)があります。このグカージを12年間44回継続のうちに200人近い有志が参加、多くの皆さんから叩いて攪拌、踏みつけてもらい存続したグーカジであったと常に私の頭に染みついています。そのグーカジから「ロンリーウーマン」をはじめ幾つかの恒例演目が形成されました。その一つに『花肉気象鎖圖』があります。これを‘一人一曲’と呼んでいたように短い一曲の間にソロを踊りきる嬌艶。ツバ吐きながら踊れよソロを。満ちるも空虚も持ち時間まで。このプログラムは5年ぶりに舞台に乗ります。
黒沢美香
出演 糸山明子 木佐貫邦子 クリタチカコ  黒沢美香
木檜朱実 サエグサユキオ  椎名利恵子 砂山典子
関準太郎  萩原富士夫 マトロン りな・りっち
公演日時
7月25日(水) 18:45
*開場は開演の30分前



7月27日(金)〜29日(日)
ダンス☆ショー“夏の踊り”
 これはリーダーズ・ダイジェストの通販で購入されたレコードを発見したことから始まる。昭和の音楽が明るく単純な編曲で嬉々と演奏されていた。わたしは捻って捻り過ぎる癖があるので単純で明るい疑いのなさに圧倒される。単純で一本槍なダンス、凝らずにお遊戯のような動きで組み立てた小品の粒。初演新たな小品も織り混ぜてゴツゴツと並べたものを「ダンス☆ショー」と呼んでいる。つまり「ダンス☆ショー」とはこの20年間に発生した小品の束を指す。一つ一つのダンスには多くの身体が通過してやっと一つのダンスが誕生している。長い時間と多くの身体を基に「ダンス☆ショー」は毎回太りながら生成されていく。今回は「夏」を盛り込んでお贈りいたします。
黒沢美香
振付 黒沢美香
出演 黒沢美香&ダンサーズ
公演日時
7月27日(金) 19:00
7月28日(土) 15:00
7月29日(日) 15:00★
*開場は開演の30分前。
★=託児サービスあり、要予約
予約受付:イベント託児・マザーズ
TEL.0120-788-222(土・日・祝日を除く10時〜12時・13時〜17時)



チケット料金
7月20日(金)〜25日(水)
各公演
前売:3,000円 当日:3,500円
学生:2,500円(学生券は前売のみ)

ダンス☆ショー
各公演
前売:3,500円 当日:4,000円
学生:2,500円(学生券は前売のみ)

なんというお得な
『毎日券』
10,000円
*先着申し込み5枚限定・皆勤賞付

複数公演をご予約の場合、公演数×500円割引いたします。
  (学生券は除く)
*座席数に限りがございます。お早めにお申し込みください。
*ご予約のお客様が開演10分前を過ぎてもお見えにならない場合、お席をご用意できない場合がございます。
*学生券ご購入の方は、当日受付にて学生証をご提示ください。
*当日券の有無については、事前にお問い合わせください。

*本公演は、芸術地域通貨ARTSがご利用いただけます(1ARTS=1円)。
  ARTSとは、桜美林大学の演劇施設で施行されている地域通貨です。
お問い合わせ
チケット取り扱い
黒沢美香&ダンサーズ
TEL.090-3508-0880
FAX.044-433-8802

E-mail.mika_dancers@yahoo.co.jp
*お申し込みの際は、【お名前(フリガナ)・演目・日時・枚数・電話番号・E-mail】をお知らせください。 返信をもちましてご予約の完了とさせていただきます。
スタッフ 照明:アイカワマサアキ  音響コーディネート:サエグサユキオ  舞台監督:首くくり栲象  制作:黒沢美香&ダンサーズ・柴田芙沙子  制作協力:Dance in Deed!
宣伝美術:立花和政  宣伝写真:大久保由利子
その他 助成:芸術文化振興基金
提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場
主催:黒沢美香&ダンサーズ



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