2007年7月13日(金)〜18日(水)
龍昇企画公演 漱石プロジェクト『こころ』


(2006)


再演にあたって・・・「こころ」の四季

去年の春に上演した作品を、この夏に再演することになった。
『こころ』の舞台は、夏が多い。「私」が先生と逢うのは、夏の鎌倉の海岸であるし、先生が自殺するのも、明治天皇の崩御と同じ夏のことである。先生も「私」も、学生時代のことが回顧されるので、夏休みが、物語を転回するきっかけとなっている。
一方、友人のKは、「私」と夏をともに過ごしながら、冬に死んでいく。どこか先生と対照的な季節のめぐり方をする。火鉢で暖をとる時代の小道具は、それだけ季節を表していたりする。
それにしても雑司が谷の墓地には、公孫樹の黄葉が敷き詰める晩秋はでてこないにも関わらず。晩秋のイメージがこびりついている。「私」とKが雑司が谷付近を散歩した季節はいつだったのだろうと、思うからだろうか。
季節が人の心に反映するのは表現としては陳腐だが、心象と風景の呼応を再度考え直して見るのも、季節感が薄れている時代にはいいのかもしれない。
『こころ』が夏という季節であることを再認識して、夏の公演に望む。

犬井邦益


龍昇企画プロフィール

1985年に旗揚げし、年1〜2本のペースではあるが、着実に作品を発表し続けている。ひとりの役者が、作家・演出家・キャスト・スタッフを雇い、プロデュースするというスタイルは、日本の演劇界においては珍しいといえよう。
これまでも様々な作家(平田オリザ・平田俊子・犬井邦益)や、演出家(佐藤信・岡本章・松本修・福井泰司)と手を組み、生み出された作品は多岐に渡るが、集団としてのポリシーは「役者が舞台上にしっかりと立ち得る劇空間を創りあげること」であり、その実現のためには手間暇を惜しまない。
2005年より、「漱石プロジェクト」と称した夏目漱石作品の舞台化に挑戦。大人の鑑賞に堪える芝居づくりを目指している。

犬井邦益
演出 福井泰司
出演 龍昇 直井おさむ 吉田重幸 栗原茂(流山児★事務所) 
阪本篤(流山児★事務所) 春山剛 二村愛(Dotoo!) 北村魚
スタッフ

舞台美術:井上正巳  照明:黒尾芳昭  音楽:渡辺禎史
舞台監督:杣谷昌洋  宣伝写真:石内都  宣伝美術:木曽慎一郎
舞台写真:亀澤俊臣  制作:龍昇企画

公演日時
7月13日(金)   19:30
7月14日(土) 15:00  19:30
7月15日(日) 15:00★◎
7月16日(月・祝) 15:00  19:30
7月17日(火) 19:30
7月18日(水) 15:00  
*開場は開演の30分前、受付開始は開演の1時間前。

◎=アフタートーク開催
★=託児サービスあり、要予約
  予約受付:イベント託児・マザーズ
  TEL.0120-788-222(土・日・祝日を除く10時〜12時・13時〜17時)
アフター
トーク
7月15日(日)15:00の回終演後アフタートークがあります。
ゲスト:七字英輔、山内健司(青年団)、ほか
チケット料金 前売:3,500円
当日:3,700円(税込・全席自由・日時指定なし)
学生:3,000円(要事前電話予約)

*チケット発売日:2007年5月15日(火)
*本公演は、芸術地域通貨ARTSがご利用いただけます(1ARTS=1円)。 
 ARTSとは、桜美林大学の演劇施設で施行されている地域通貨です。
チケット予約
お問い合せ
[前売取扱]
ローソンチケット
0570-084-003(Lコード:31749) 
0570-000-407(オペレーター対応)

e+(イープラス)(パソコン&携帯)

[予約・問合せ]
S.T.S
TEL:03-5272-4393
FAX:03-5272-5444
その他 協力:流山児★事務所 (有)芹川事務所 鈴木孝枝(office STOA) 
    片桐久文 永田悦子

提携:(有)アゴラ企画・こまばアゴラ劇場

助成:芸術文化振興基金

HOME
このページのトップへ

アゴラ
有限会社アゴラ企画目黒区駒場1-11-13
T.03-3467-2743/F.03-3467-2984

こまばアゴラ劇場へのアクセス