アトリエ春風舎は、新しい表現を求めて実験を試みる場として生まれ変わります。
これまで当アトリエは、青年団の稽古場としてだけではなく、新進気鋭のアーティストの上演、発表の場として多くのお客様に親しまれてまいりました。
しかし創造、発信事業だけではなく、こまばアゴラ劇場が行ってきた人材育成や普及啓発などの“劇場文化の成熟”のための取り組みを、この小さなアトリエでも引き継ぐことができないかと考えました。
そのような趣旨の下、アトリエ春風舎は「アソシエイトアーティスト制度」を導入することとなりました。アトリエの運営に携わりながら、継続的に創作を行う環境に身を置くことで、社会との繋がりを意識し、強度のある作品を生み出す自立した演劇人を育成する一助になればと考えています。
今年度の登録アーティストは青年団と知古の劇作家・演出家・俳優・制作者に限る形で試験的に運用を行い、来年度以降は本格実施を見据えてアーティストを広く公募することを検討しています。
今後ともアトリエ春風舎をよろしくお願いいたします。
大池容子(おおいけ ようこ) アトリエ春風舎 芸術監督/劇作家・演出家/うさぎストライプ主宰

1986年、大阪府生まれ。2010年、うさぎストライプを結成。2019年、二人の父親と一人の娘による“ありふれた”家族の姿を描いた『バージン・ブルース』で平成30年度 希望の大地の戯曲賞「北海道戯曲賞」大賞を受賞。
2021年、NHK特集ドラマ『いないかもしれない』脚本でAsian Academy Creative Award 2021 BEST ORIGNAL SCREENPLAY 優秀賞を受賞。
2024年、日本大学芸術学部演劇学科助教に就任。
webサイト:https://usagistripe.com
<2025年度の予定>
うさぎストライプ『かがやく都市』
作・演出:大池容子
2026年1月24日(土) – 31日(土) アトリエ春風舎
2025年度 アトリエ春風舎 アソシエイトアーティスト
*名前をクリックするとプロフィール情報が表示されます。(50音順)
綾門優季 (あやと ゆうき)

©三浦雨林
1991年生まれ、富山県出身。劇作家。キュイ主宰。2011年、キュイを旗揚げ。
戯曲は「震災、テロ、無差別殺人など、突発的な天災・人災に翻弄される人々の様子を主なモチーフとすること」を特徴とする。
2013年、『止まらない子供たちが轢かれてゆく』で第1回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。
2015年、『不眠普及』で第3回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。
2019年、『蹂躙を蹂躙』で第10回せんがわ劇場演劇コンクールにて、劇作家賞を受賞。
2021年度より、日本大学芸術学部演劇学科非常勤講師。
webサイト:https://cui99iuc.com
<2025年度の予定>
キュイ『QUIT』リーディング
作:綾門優季(キュイ)
演出:小野晃太朗(シニフィエ)
ドラマトゥルク:黒澤多生
2026年3月28日(土) – 29日(日) アトリエ春風舎
伊藤 毅 (いとう つよし)

©ハマリュウノスケ
1984年3月23日生まれ。茨城県水戸市出身。
2010年、劇団青年団に俳優として所属。
演劇ユニット「やしゃご」の主宰・作・演出。
青年団主宰、平田オリザの提唱する現代口語演劇を元に、所謂『社会の中層階級の中の下』の人々の生活の中にある、宙ぶらりんな喜びと悲しみを忠実に描くことを目的とする。
伊藤毅解釈の現代口語演劇を展開しつつ、登場人物の誰も悪くないにも関わらず起きてしまう、答えの出ない問題をテーマにする。
webサイト:https://itokikaku.jimdofree.com
<2025年度の予定>
やしゃご「やしゃご実験室vol.1」
原作:岸田國士 翻案・演出:伊藤毅
12月7日(日) – 8日(月) アトリエ春風舎
岩井由紀子 (いわい ゆきこ)

©松井壮大
俳優。1991年生まれ。東京都生まれ神奈川県育ち。こまばアゴラ演劇学校“無隣館”2期生を経て、2017年劇団青年団入団。
主な出演作品に青年団『サンタクロース会議』『眠れない夜なんてない』ハチス企画『ハッピーな日々』など。
近年は俳優業の他に制作業も行っている。
金澤 昭 (かなざわ あきら)

1986年東京都生まれ。
うさぎストライプ旗揚げ以降、全ての公演の制作を担当。青年団制作部に所属。
都立高校での「演劇」の特別専任講師や、東京都高校演劇連盟が主催する講習会など、教育現場での講師を多数実施。演出助手として携わった作品には、たじま児童劇団『転校生』(主催:江原河畔劇場)、日生劇場へ行こう!『おはなしのひろば』(主催:日生劇場)、市民と創る朗読劇『セブンスター』(主催:キラリ☆ふじみ)など。そのほか、うさぎストライプ『バージン・ブルース』『空想科学II』『ハイライト』『あたらしい朝』などに出演。
webサイト:https://usagistripe.com
河井 朗 (かわい ほがら)

©manamitanaka
ルサンチカ主宰。
1993年大阪生まれ。2016年京都造形芸術大学舞台芸術学科卒業。京都府立文化芸術会館と協働し、『PIPE DREAM』『SO LONG GOODBYE』『GOOD WAR』を発表。マッチングアプリで出会った人々へのインタビューを基にした手法が注目され、再演を重ねる。近年は三好十郎、太田省吾、ベケットらの既成戯曲にも取り組み、戯曲を「記録」と捉える視点を探求。ジャンルを超えて「人を人たらしめるもの」をテーマに創作を続ける。
webサイト:https://www.ressenchka.com
菊池佳南 (きくち かなみ)

1986年宮城県生まれ。2010年に青年団入団。
うさぎストライプと(有)レトルに所属。
桜美林大学総合文化学群演劇専修卒業。文学座の坂口芳貞氏、高瀬久男氏らに師事。
一人芝居『ずんだクエスト』(作・山田百次)、『ゴールデンバット』(作・大池容子)で全国踏破にチャレンジ中。
NHKドラマ『おかえりモネ』、岩井俊二監督『ラストレター』などに出演。
仙台を拠点に、全国で朗読や演劇の手法を用いたワークショップに取り組む。
webサイト:https://usagistripe.com
小林 遼 (こばやし りょう)

愛知県名古屋市出身。精神科医/演出家。”見えないものを感じる”ことをテーマとした創作をする。ボイスオーバーやARなどの非身体的なメディアを、土地に訪れた鑑賞者の身体が再演することで、見えない「存在感」を生み出す。鑑賞者のパフォーマティヴィティを通じて、他者や土地を想像することを探求している。主な参加プロジェクトは、豊岡演劇祭フリンジ、Klang River Festival [MYS]、隅田川 森羅万象 墨に夢、横浜国際舞台芸術ミーティング(YPAM)、Cinemovement Lab [SGP]、アーティストインレジデンスさいたま など。
webサイト:https://kikakukoba.wixsite.com/kikakukoba
<2025年度の予定>
391シアタープロジェクト レジデント・アーティスト
『フジサワ名店ビル インフォメーションセンター』
7月~2026年3月 フジサワ名店ビル(藤沢391街区)
NEST Anniversary event and Exhibition
『To Be Touched, Then Lost』
8月 NEST フィリピン マニラ
東京舞台芸術祭2025 OPEN CALL PROGRAM
志村翔太+小林遼+小南菜子
『MIKOSHI RIDER – MAKE FRIENDS -』
11月 東京都墨田区内
花王芸術・科学財団 2025年度メディアアートの展覧会への助成
『クリティカル・サイクリング展』(仮)
2026年3月 IAMAS(情報科学芸術大学院大学)
佐藤 滋 (さとう しげる)

©相川博昭
新潟県出身。文学座付属演劇研究所、劇団KAKUTAを経て、2014年から青年団に所属(こまばアゴラ演劇学校“無隣館”第一期)。
2023年より自身の企画、滋企画を始める。第1回『K2』、第2回『オセロー』(ともにこまばアゴラ劇場)、第3回『ガラスの動物園』(すみだパークシアター倉)。
webサイト:https://shigeru-kikaku.com
<2025年度の予定>
第4回滋企画
タイトル未定
作・演出・音楽:糸井幸之介
2026年3月 アトリエ春風舎
田崎小春 (たさき こはる)

©コムラマイ
1991年生まれ、福岡県出身。2021年4月に劇団青年団に入団。2020年にユニットmelomysを立ち上げる。主に俳優、melomysでは作・演出も務める。
主な出演は、青年団『日本文学盛衰史』『S高原から』『阿房列車』『銀河鉄道の夜』、melomys『Dreame time』『present』『snailtrail』など。
<2025年度の予定>
青年団第102回公演
『S高原から』作・演出:平田オリザ
豊岡演劇祭2025 ディレクターズプログラム 9月19日(金) – 23日(火・祝) 江原河畔劇場
BeSeTo演劇祭29/鳥の演劇祭18 9月27日(土) – 28日(日) 鳥の劇場
シアターオペラ『その星には音がない −時計仕掛けの宇宙−』
脚本・演出:平田オリザ/作曲・指揮:中堀海都
豊岡演劇祭2025 ディレクターズプログラム 9月12日(金) – 15日(月・祝) 城崎国際アートセンター
瀬戸内国際芸術祭 10月4日(土) 香川県立アリーナ(あなぶきアリーナ香川) サブアリーナ
水戸国際音楽祭 10月11日(土) ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
melomys『ドリームタイム』福岡公演
作・構成・演出:田崎小春・melomys 出演:田崎小春
11月2日(日) – 3日(月・祝) マノマ(福岡・祇園)
仮定の微熱”kq Duo”
原案・共作:佐々木すーじん
11月21日(金) – 24日(月・祝) スタジオ「ユングラ」
鄭 亜美 (ちょん あみ)

2007年劇団青年団に入団。主な出演作品に『革命日記』『冒険王』『カガクするココロ』『ソウル市民1919』『銀河鉄道の夜』『東京ノート』など。
近年は、伊藤直子、小野寺修二、近藤良平、黒田育世、坂田有妃子作品など、身体表現を伴う作品や、劇団普通、劇団アンパサンドなどが多い。野田秀樹主宰東京演劇道場第2期に在籍中。山内ケンジ監督長編映画『夜明けの夫婦』『アジアのユニークな国』主演。
<2025年度の予定>
国際芸術祭あいち2025
オル太『Eternal Labor(エターナル・レイバー)』
脚本:メグ忍者 演出:Jang-Chi
10月10日(金) – 19日(日) 愛知県芸術劇場 小ホール
中村馨 (なかむら かおる)

©KOMURA
劇作家・演出家・アオガネの杜主宰。1993年富山県生まれ。無隣館4期生経て、2021年青年団に入団。2023年「岩松了劇作塾」にて戯曲指導を受ける。2024年アトリエ春風舎にてアオガネの杜第一回公演『みにまむごっず』を上演。
webサイト:https://sites.google.com/view/aogane-no-mori
<2025年度の予定>
アオガネの杜『座標と初恋』
作・演出 中村馨
9月 アトリエ春風舎
野宮有姫 (のみや ゆうき)

一般社団法人図図倉庫net/ムスヒラ/絲人
詩人/共同創作者。遊ぶひと。福島県を中心に多拠点にて活動。
生命活動(生活)=芸術であるという前提の上で、詩・演劇・現代アートなどジャンルを超え、料理人や研究者など、様々なひとたちと共同創作を行う。現在は、福島県南相馬市のクラフトサケ醸造所で働きながら、風土の中での原風景的酒文化をリサーチ中。
近年の作品:
アートツーリズム『ならやま風土譚』詩作・構成・演出/西会津楢山集落(福島)
めぐりあるきレストラン『ヒカリノトリ』詩作・構成・演出/飯舘村図図倉庫(福島)
など
webサイト:https://lit.link/nomiya1990
<2025年度の予定>
いいたてフィールドミュージアムツアー「環世界探索紀行」
構成・総合演出:野宮有姫
会場:福島県 飯舘村内(1泊2日)
主催:株式会社MARBLiNG
春頃より定期開催
早坂 彩 (はやさか あや)

トレモロ『Port-見えない町の話をしよう-』2024 ©河西沙織
演出家/トレモロ主宰。劇団青年団所属。東京都出身。
早稲田大学大学院文学研究科演劇映像学専修(西洋演劇)修了。
2024年より活動拠点を兵庫県神戸市に移す。
利賀演劇人コンクール2015『イワーノフ』にて、優秀演出家賞・観客賞受賞。
近年の代表作として、SCOTサマー・シーズン2022×豊岡演劇祭2022『新ハムレット』、日韓演劇交流センター『寂しい人、苦しい人、悲しい人』など。
演劇の可能性を開く場作りを志向しており、高校生との作品作りにも多く取り組む。過去の上演作品として『ロミオとジュリエット』『夏の夜の夢』『ラーマーヤナ』などがある。
webサイト:https://ayahayasaka.amebaownd.com
<2025年度の予定>
ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム‟KIPPU”
『コリオレイナス』(仮)
作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:早坂 彩
2026年3月 ロームシアター京都 ノースホール
堀川 炎 (ほりかわ ほのお)

世田谷シルク主宰。演出・脚本・振付。3歳からクラシックバレエを習い始め、中学と高校で演劇部に入部。現在は花柳流日本舞踊を習う。山の手事情社研修生を経て同期4人と世田谷シルクを結成。その後こまばアゴラ演劇学校“無隣館”1期生を経て青年団演出部へ。2015年渡欧。パリやスウェーデンでオペラを学ぶ。その後はオペラの演出助手も行っている。自身の作品では身体表現が多い。
近年は演劇祭や芸術祭への参加も多く、16・19年瀬戸内国際芸術祭、23年奥能登国際芸術祭、23・24年SCOTサマー・シーズン、豊岡演劇祭などに参加。
webサイト:https://www.setagaya-silk.com
升味加耀 (ますみ かよ)

『きみはともだち』2025年©月館森
ノンバイナリー。
2016 年、留学先のベルリンにて、果てとチークを旗揚げ。
以降、全ユニット作品の劇作・演出を担当。
大きな世界とちっぽけな人々の絶望的に変わらない状況を、
ありったけの憎しみと、ごくごく僅かな希望を込めて描きだす。
19年、『害悪』が令和元年度北海道戯曲賞最終候補作となる。
23年、『はやくぜんぶおわってしまえ』が第29回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作となる。
24年、『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』が第68回岸田國士戯曲賞最終候補作となる。
公益財団法人セゾン文化財団フェロー。
webサイト:https://hatetocheek.com
三浦雨林 (みうら うりん)

©ulin miula
演出家、劇作家、写真家。演劇ユニット「隣屋」主宰。
日本大学大学院 芸術学研究科 舞台芸術専攻 修了。
主に原作を用いた戯曲執筆や、既存戯曲の上演を行う。距離のある言葉を現実に引き寄せ、テーマを浮き立たせる作風が特徴。2020年以降、生身の俳優が出演しない空間演劇や、インスタレーション作品など、舞台芸術の枠に捉われずに演劇的手法を用いた作品を多数制作。
近年は⻄洋的な演劇のあり方/創り方から逃れ、自身のアイデンティティや⺠族的・文化的感覚を持って現代によりフィットした集団形成の考え方、また集団創作の方法を探る。
webサイト:https://ulinmiula.cargo.site
宮崎玲奈 (みやざき れな)

『つかの間の道』2024年©黑田菜月
劇作家・演出家・演劇カンパニームニ主宰。1996年高知県生まれ。第11回せんがわ劇場演劇コンクールにて、『真昼森を抜ける』で演出家賞受賞。大学卒業制作の『須磨浦旅行譚』が令和元年度北海道戯曲賞最終候補。『ことばにない』で第1回日本みどりのゆび舞台芸術賞HOPE賞。俳句(宮﨑莉々香)、小説など他ジャンルの創作にも意欲的に取り組む。
webサイト:https://muniinum.com
吉田小夏 (よしだ こなつ)

©金子愛帆
劇作家、演出家、青☆組主宰。桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。
桐朋学園大学芸術科演劇専攻卒業/専攻科演劇専攻修了。
高校在学中に、平田オリザ作・演出『転校生』(初演)に出演し初舞台を踏む。
大学進学後、蜷川幸雄、如月小春、越光照文らに師事し俳優として活動。
2001年に演劇ユニットとして青☆組を始め、2011年に劇団化。
’02年~’09年『雨と猫といくつかの嘘』等、4つの作品で日本劇作家協会新人戯曲賞入賞。
’02年『さくらさくら』で日本演出者協会主催〈若手演出家コンクール〉優秀賞受賞。
’03年『初雪の味』で日本演出者協会主催〈若手演出家コンクール〉審査員特別賞受賞。
’17年『海の五線譜』で北海道戯曲賞優秀賞受賞。
webサイト:https://www.aogumi.org
<2025年度の予定>
青☆組 『星降る教室』
作・演出:吉田小夏
11月下旬 アトリエ春風舎
和田華子 (わだ はなこ)

1988年、青森生まれ。俳優。
京都造形大学舞台芸術学科卒業後、フリーで東京の小劇場で活動。2019年青年団所属。
2019年〜2024年『俳優・劇作家・演出家・制作者に向けたLGBTQ勉強会』を企画、開催。
2021年、映像展示作品『「私はトランスです」=???』を製作。
2024年、趣向『べつのほしにいくまえに』にてCoRich舞台芸術まつり!2024にて演技賞受賞。
※2025年8月現在