アトリエ春風舎は、新しい表現を求めて実験を試みる場として生まれ変わります。
これまで当アトリエは、青年団の稽古場としてだけではなく、新進気鋭のアーティストの上演、発表の場として多くのお客様に親しまれてまいりました。
しかし創造、発信事業だけではなく、こまばアゴラ劇場が行ってきた人材育成や普及啓発などの“劇場文化の成熟”のための取り組みを、この小さなアトリエでも引き継ぐことができないかと考えました。
そのような趣旨の下、アトリエ春風舎は「アソシエイトアーティスト制度」を導入することとなりました。アトリエの運営に携わりながら、継続的に創作を行う環境に身を置くことで、社会との繋がりを意識し、強度のある作品を生み出す自立した演劇人を育成する一助になればと考えています。
今年度の登録アーティストは青年団と知古の劇作家・演出家・俳優・制作者に限る形で試験的に運用を行い、来年度以降は本格実施を見据えてアーティストを広く公募することを検討しています。
今後ともアトリエ春風舎をよろしくお願いいたします。
大池容子(おおいけ ようこ) アトリエ春風舎 芸術監督/劇作家・演出家/うさぎストライプ主宰

1986年、大阪府生まれ。2010年、うさぎストライプを結成。2019年、二人の父親と一人の娘による“ありふれた”家族の姿を描いた『バージン・ブルース』で平成30年度 希望の大地の戯曲賞「北海道戯曲賞」大賞を受賞。
2021年、NHK特集ドラマ『いないかもしれない』脚本でAsian Academy Creative Award 2021 BEST ORIGNAL SCREENPLAY 優秀賞を受賞。
2024年、日本大学芸術学部演劇学科助教に就任。
webサイト:https://usagistripe.com
<2025年度の予定>
関西テレビ舞台『君のクイズ』
原作:小川哲 脚本:大池容子 演出:小林顕作
出演:少年忍者・北川拓実&小田将聖 ほか
[東京公演]4月3日(木) – 20日(日)IMM THEATER
[大阪公演]4月25日(金) – 27日(日)COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
2025年度 アトリエ春風舎 アソシエイトアーティスト
*名前をクリックするとプロフィール情報が表示されます。(50音順)
綾門優季 (あやと ゆうき)

©三浦雨林
1991年生まれ、富山県出身。劇作家。キュイ主宰。2011年、キュイを旗揚げ。
戯曲は「震災、テロ、無差別殺人など、突発的な天災・人災に翻弄される人々の様子を主なモチーフとすること」を特徴とする。
2013年、『止まらない子供たちが轢かれてゆく』で第1回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。
2015年、『不眠普及』で第3回せんだい短編戯曲賞大賞を受賞。
2019年、『蹂躙を蹂躙』で第10回せんがわ劇場演劇コンクールにて、劇作家賞を受賞。
2021年度より、日本大学芸術学部演劇学科非常勤講師。
webサイト:https://cui99iuc.com
<2025年度の予定>
キュイ『QUIT』リーディング
作:綾門優季(キュイ)
演出:小野晃太朗(シニフィエ)
ドラマトゥルク:黒澤多生
2026年3月28日(土) – 29日(日) アトリエ春風舎
岩井由紀子 (いわい ゆきこ)

©松井壮大
俳優。1991年生まれ。東京都生まれ神奈川県育ち。こまばアゴラ演劇学校“無隣館”2期生を経て、2017年劇団青年団入団。
主な出演作品に青年団『サンタクロース会議』『眠れない夜なんてない』ハチス企画『ハッピーな日々』など。
近年は俳優業の他に制作業も行っている。
金澤 昭 (かなざわ あきら)

1986年東京都生まれ。
うさぎストライプ旗揚げ以降、全ての公演の制作を担当。青年団制作部に所属。
都立高校での「演劇」の特別専任講師や、東京都高校演劇連盟が主催する講習会など、教育現場での講師を多数実施。演出助手として携わった作品には、たじま児童劇団『転校生』(主催:江原河畔劇場)、日生劇場へ行こう!『おはなしのひろば』(主催:日生劇場)、市民と創る朗読劇『セブンスター』(主催:キラリ☆ふじみ)など。そのほか、うさぎストライプ『バージン・ブルース』『空想科学II』『ハイライト』『あたらしい朝』などに出演。
webサイト:https://usagistripe.com
河井 朗 (かわい ほがら)

©manamitanaka
ルサンチカ主宰。
1993年大阪生まれ。2016年京都造形芸術大学舞台芸術学科卒業。京都府立文化芸術会館と協働し、『PIPE DREAM』『SO LONG GOODBYE』『GOOD WAR』を発表。マッチングアプリで出会った人々へのインタビューを基にした手法が注目され、再演を重ねる。近年は三好十郎、太田省吾、ベケットらの既成戯曲にも取り組み、戯曲を「記録」と捉える視点を探求。ジャンルを超えて「人を人たらしめるもの」をテーマに創作を続ける。
webサイト:https://www.ressenchka.com
<2025年度の予定>
『更地』
作:太田省吾
演出:河井朗
5月 京都芸術センター
佐藤 滋 (さとう しげる)

©相川博昭
新潟県出身。文学座付属演劇研究所、劇団KAKUTAを経て、2014年から青年団に所属(こまばアゴラ演劇学校“無隣館”第一期)。
2023年より自身の企画、滋企画を始める。第1回『K2』、第2回『オセロー』(ともにこまばアゴラ劇場)、第3回『ガラスの動物園』(すみだパークシアター倉)。
webサイト:https://shigeru-kikaku.com
<2025年度の予定>
第4回滋企画を準備中
野宮有姫 (のみや ゆうき)

一般社団法人図図倉庫net/ムスヒラ/絲人
詩人/共同創作者。遊ぶひと。福島県を中心に多拠点にて活動。
生命活動(生活)=芸術であるという前提の上で、詩・演劇・現代アートなどジャンルを超え、料理人や研究者など、様々なひとたちと共同創作を行う。現在は、福島県南相馬市のクラフトサケ醸造所で働きながら、風土の中での原風景的酒文化をリサーチ中。
近年の作品:
アートツーリズム『ならやま風土譚』詩作・構成・演出/西会津楢山集落(福島)
めぐりあるきレストラン『ヒカリノトリ』詩作・構成・演出/飯舘村図図倉庫(福島)
など
webサイト:https://lit.link/nomiya1990
<2025年度の予定>
いいたてフィールドミュージアムツアー「環世界探索紀行」
構成・総合演出:野宮有姫
会場:福島県 飯舘村内(1泊2日)
主催:株式会社MARBLiNG
春頃より定期開催
早坂 彩 (はやさか あや)

トレモロ『Port-見えない町の話をしよう-』2024 ©河西沙織
演出家/トレモロ主宰。劇団青年団所属。東京都出身。
早稲田大学大学院文学研究科演劇映像学専修(西洋演劇)修了。
2024年より活動拠点を兵庫県神戸市に移す。
利賀演劇人コンクール2015『イワーノフ』にて、優秀演出家賞・観客賞受賞。
近年の代表作として、SCOTサマー・シーズン2022×豊岡演劇祭2022『新ハムレット』、日韓演劇交流センター『寂しい人、苦しい人、悲しい人』など。
演劇の可能性を開く場作りを志向しており、高校生との作品作りにも多く取り組む。過去の上演作品として『ロミオとジュリエット』『夏の夜の夢』『ラーマーヤナ』などがある。
webサイト:https://ayahayasaka.amebaownd.com
<2025年度の予定>
ロームシアター京都×京都芸術センター U35創造支援プログラム‟KIPPU”
『コリオレイナス』(仮)
作:ウィリアム・シェイクスピア
演出:早坂 彩
2026年3月 ロームシアター京都 ノースホール
堀川 炎 (ほりかわ ほのお)

世田谷シルク主宰。演出・脚本・振付。3歳からクラシックバレエを習い始め、中学と高校で演劇部に入部。現在は花柳流日本舞踊を習う。山の手事情社研修生を経て同期4人と世田谷シルクを結成。その後こまばアゴラ演劇学校“無隣館”1期生を経て青年団演出部へ。2015年渡欧。パリやスウェーデンでオペラを学ぶ。その後はオペラの演出助手も行っている。自身の作品では身体表現が多い。
近年は演劇祭や芸術祭への参加も多く、16・19年瀬戸内国際芸術祭、23年奥能登国際芸術祭、23・24年SCOTサマー・シーズン、豊岡演劇祭などに参加。
webサイト:https://www.setagaya-silk.com
升味加耀 (ますみ かよ)

『きみはともだち』2025年©月館森
ノンバイナリー。
2016 年、留学先のベルリンにて、果てとチークを旗揚げ。
以降、全ユニット作品の劇作・演出を担当。
大きな世界とちっぽけな人々の絶望的に変わらない状況を、
ありったけの憎しみと、ごくごく僅かな希望を込めて描きだす。
19年、『害悪』が令和元年度北海道戯曲賞最終候補作となる。
23年、『はやくぜんぶおわってしまえ』が第29回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作となる。
24年、『くらいところからくるばけものはあかるくてみえない』が第68回岸田國士戯曲賞最終候補作となる。
公益財団法人セゾン文化財団フェロー。
webサイト:https://hatetocheek.com
三浦雨林 (みうら うりん)

©ulin miula
演出家、劇作家、写真家。演劇ユニット「隣屋」主宰。
日本大学大学院 芸術学研究科 舞台芸術専攻 修了。
主に原作を用いた戯曲執筆や、既存戯曲の上演を行う。距離のある言葉を現実に引き寄せ、テーマを浮き立たせる作風が特徴。2020年以降、生身の俳優が出演しない空間演劇や、インスタレーション作品など、舞台芸術の枠に捉われずに演劇的手法を用いた作品を多数制作。
近年は⻄洋的な演劇のあり方/創り方から逃れ、自身のアイデンティティや⺠族的・文化的感覚を持って現代によりフィットした集団形成の考え方、また集団創作の方法を探る。
webサイト:https://ulinmiula.cargo.site
宮崎玲奈 (みやざき れな)

『つかの間の道』2024年©黑田菜月
劇作家・演出家・演劇カンパニームニ主宰。1996年高知県生まれ。第11回せんがわ劇場演劇コンクールにて、『真昼森を抜ける』で演出家賞受賞。大学卒業制作の『須磨浦旅行譚』が令和元年度北海道戯曲賞最終候補。『ことばにない』で第1回日本みどりのゆび舞台芸術賞HOPE賞。俳句(宮﨑莉々香)、小説など他ジャンルの創作にも意欲的に取り組む。
webサイト:https://muniinum.com
<2025年度の予定>
ムニ新作長編『始まりの終わり』
作・演出:宮崎玲奈
出演:南風盛もえ(青年団)、藤家矢麻刀、渡邊まな実、伊藤 拓(青年団)、黒澤多生(青年団)
7月20日(日) – 27日(日) アトリエ春風舎
吉田小夏 (よしだ こなつ)

©金子愛帆
劇作家、演出家、青☆組主宰。桐朋学園芸術短期大学非常勤講師。
桐朋学園大学芸術科演劇専攻卒業/専攻科演劇専攻修了。
高校在学中に、平田オリザ作・演出『転校生』(初演)に出演し初舞台を踏む。
大学進学後、蜷川幸雄、如月小春、越光照文らに師事し俳優として活動。
2001年に演劇ユニットとして青☆組を始め、2011年に劇団化。
’02年~’09年『雨と猫といくつかの嘘』等、4つの作品で日本劇作家協会新人戯曲賞入賞。
’02年『さくらさくら』で日本演出者協会主催〈若手演出家コンクール〉優秀賞受賞。
’03年『初雪の味』で日本演出者協会主催〈若手演出家コンクール〉審査員特別賞受賞。
’17年『海の五線譜』で北海道戯曲賞優秀賞受賞。
webサイト:https://www.aogumi.org
<2025年度の予定>
青☆組 『星降る教室』
作・演出:吉田小夏
11月下旬 アトリエ春風舎
※2025年3月現在