こまばアゴラ劇場
夏のサミット2008 2008.8.8 fri.-9.7 sun. これまでサミットのディレクターを務めてきて、僕は参加作品の観劇中、何度かある夢想をしました。今この演目を見ている観客の中に、実はこの作品とは毛色からなにから全然違う別の演目(たとえば先週上演していたこれとは別のサミット参加作品)を見るつもりで劇場にやってきた人がいる。幕が開いたら期待とまるで違うのがはじまったので、その人はしばらく当惑する。でもやがて、目の前の舞台を、事故であるということともども楽しむようになる……、という夢想です。でも、考えてみれば、そうした事故が起きずとも、作品は故意にしろそうでないにしろ、観客の予想を少なからず裏切るものでしょう。舞台芸術に意義(たとえば「社会的」な)はあるのか?という議論に深く関わる知見は僕にはありませんけれど、そういった事故そのものが大いなる意義であるとは思います。 サミットディレクター 岡田利規
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